根管治療を行い、銀歯をセラミックに変えた症例

右上の4番目の歯(第一小臼歯)に違和感を感じて来院され、セラミックのかぶせものにされた方です。

続きを読むにはこちらをクリック(実際の写真があります。)
治療前のレントゲン写真です①
根の先の赤〇の部分に黒い影が見えます
その部分だけの写真を撮っても同じように根の先に影が見られます。

この歯は、10年以上前に根の治療をせずにかぶせものを入れたそうですが、その後神経の中が感染し、根の先に炎症を起こし膿の袋ができていたため、根管治療を行いました。

根の治療についてはこちらを参照してください。

根管治療後のレントゲン写真です。

根の治療が終われば、あとはかけている部分を作っていく処置になります。

治療の手順としては、まず土台の部分を作って歯の形を大まかに戻し、その後かぶせものを作るようになります。
この方はかぶせものにセラミックのかぶせものを選択されたため、土台の部分の処置からは自費治療となりました。
土台としては、自費のファイバーコアを使っています。当院では自費のファイバーコアシステムとしてi-TFCコアを用いています。

土台を立てて、かぶせを入れていけるように歯の形を整えます。
型取りをしたところです。歯と歯茎の境目がきれいに出ています。
かぶせが出来上がったら土台の歯に
かぶせものを入れます。

この歯の治療に関しては、大体週に1回来院していただいて、根の治療に3回、土台を作るのに2回、かぶせものを作るのに2回の計7回かかっています。
治療期間は2カ月弱でした。

  

     

  

  

 

  

余談ですが、実際患者さんに使っていただいていた仮歯です。
仮歯の境目が、技工士(歯を作る専門家)さんの書いた赤いラインときれいに一致しており、仮歯が模型にぴったりフィットしている=口の中の歯の状態と模型との間に誤差がなく、また仮歯の精度も高いことが分かります。

保険で白い歯

一昔前は、保険治療で・・・というと銀歯が主流でしたが、数年前から前歯以外の歯にも保険で白い歯を入れることができるのをご存じですか?

 

CAD/CAM冠と呼ばれるものですが、ハイブリッドセラミック(プラスチックとセラミックを混ぜ合わせた素材)のブロックを歯科用の3Dプリンターで削り出して作られるかぶせものが数年前に小臼歯(真ん中から数えて4番目5番目の歯)に保険で入れることができるようになりました。

その後、昨年、条件が限られますが6番目の下の歯にも保険適応となり、4月より上の歯にも入れることができるようになる予定です。

単色のブロックを削り出して作るという性質上、個々の歯に合わせてグラデーションの付けて作ることのできる保険適応外のセラミックと比べると、見た目の美しさには劣りますが、4番目5番目6番目の歯においては、金属の銀歯と白い歯では見た目の印象は変わってきますので審美性と費用を要求される場合はお勧めの素材です。

しかし残念ながらいいことばかりではありません。
欠点としては銀歯と違い、噛む力が強い方では 割れてしまったり、 たわむことにより外れてしまったりすることがあります。
外れただけの場合はとめなおしが可能なことがありますが、割れた場合は作り直しとなります。
そのため、ご自身の歯がほとんど残っておらず維持が取れない場合や、歯ぎしりやくいしばりなどの癖がある方にはあまりお勧めはできません。

 

個人的な意見としては、すべての方にお勧めできる!というわけではないですが白い歯を希望される方には選択肢の一つのなる素材だと思います。
気になる方は、かかりつけの歯医者さんにご相談されてみてはいかがかでしょうか。